山東茶業組合

2022年11月7日

祝!全品最高賞受賞!!メンバーインタビュー

先日行われた「第76回全国茶品評会出品茶審査会」の最高賞でもある農林水産大臣賞を受賞することができました!お茶の品評会の規模としては最大の会で最高賞の受賞となります。

そんな山東茶業組合のメンバーがどんなことを考えてお茶作りをしているのか、聞いてみました。
美味しいお茶作りの秘訣、公開です。

 

今年のお茶の手応えはどう感じていましたか?例年と違うことはあったんですか?

今年は例年4月上旬にある寒の戻りがなく順調に伸びてくれた事が一番違ったことだと思います。
品評会製造に関しては、メンバーを30代、40代の若い茶師にしたことによって、若い衆のみなぎるやる気と、技術力が相まって最高な物が出来たんだと思います。安定して良質のお茶が出来あがり、今年は例年以上の品質だったかなと感じます。
そんな手応えだったので、今年も上位入賞できると信じていました。
また、初めて参加するメンバーもいたので、とても勉強になったと思います。

 

今年のお茶作りで大変だったこと、気を使ったことは?

自然相手の仕事なので、雨や霜には気を使います。
生産面では長く続いた天候不順に悩まされ、茶園の状態に注意が必要となり、例年より気を使う作業となりました。
製造面では安定している製品を維持する事に気をつけ、製造中の茶葉の状態に終始注意して製造につとめました。
特にお茶の表面だけが乾いてしまう上乾きをさせないように、お茶の芯から水分を出すように気を使いました。

今回製造メンバーも若手中心に取り組み、個々の技術と知恵を絞り出して頑張りました。
メンバーを若くしたことによって、不安なことを先輩方に簡単には聞けませんでしたが、自分たちの勘や、五感を研ぎ澄ませることができたのかなと思います。

 

常にお茶作りで気をつけていることは?難しさなど。

いかに樹勢の良い畑作りが出来るかという点です。樹勢が良い畑は、良質なお茶が出来る為です。
製造中お茶の状態は常に変わっているため、少しずつの変化を見て、触りながら、風量や、回転数、温度をコマメに変えることに気を使います。
天気・気温・湿度・茶葉の状態が全く同じではない為、乾き方がその都度違ってくる事が難しいです。
昔から引き継いできている技術、知恵を基本に、こだわりを持って山東らしさを大事にして製造しています。
山東らしい荒茶が出来上がる様に、皆でコミュニケーションを取り、茶園管理でも情報を共有し、皆で茶園から品質向上をはかっています。

 

賞レースは意識しているものですか?

意識はしています。毎年、品評会は最高賞である農林水産大臣賞を狙っています。
3大品評会に出品するという事は、一つ一つに農林水産大臣賞が穫れるチャンスがあるので、常に意識しています。
全品、関東ブロック、県品の三冠達成が最高目標です!

 

組合はどんな雰囲気ですか?

互いに尊重し、良きライバルとして切磋琢磨してやっていますが、近所の15軒が集まってできてる組合ですので、一致団結し、家族みたいな雰囲気だと思います。
歳の上下関係なく、誰でも気さくに話が出来る良い環境です。

若手から新しい風を吹かせていきたいと思ってくれていますし、今回のような受賞があればさらに雰囲気は良くなりますね。

 

他の生産地域、生産会社と山東が違うと思うところは?

肥料は、青年部が中心となり設計を考えて役員にプレゼンしますが、農薬散布に関しては、各自で散布タイミングや薬剤などを考えてやっています。
集まって決定することと、各自で判断するところのバランスが取れていると思います。
近所の15軒が集まってできてる組合ですので、団結力、結束力、協調性が強い工場だと思いますし、組合の先輩方も高い製造技術を持っていて、それを近くで見てこれたことや、技術の伝承が 若手までうまくいっていると思います。
また、お茶畑での摘採、管理作業には、コンテナ型乗用摘採機や、乗用型防除機、乗用型深耕機、乗用型中刈機など、近隣茶工場ではここまで揃えてるところは少ないと思います。

 

青年部の皆さんから見て、お茶作りや組合で昔と変わったと思うところはありますか?

よく、情報交換などをするようになったと思います。
15年以前に比べたら機械化がものすごく進んでます。
例えば、お茶工場内はパソコンで一括管理できる製造機の導入し省力化を目指してますし、製造や茶草場農法などは昔からほとんど変わってませんが、製造メンバーなど若手中心に若返りました!
昔ながらの良さは残しながらも、時代に合わせた生産を行なっている為、機械化等、時代に合った形になったなと思います。

 

今後の抱負(やっていきたいことなど)

もっとお茶の良さを理解してもらう為に、小売やイベント企画などを積極的になっていきたいと考えています。
多角的な農作物も考えていますし、それによってよって新しい販売網や、作物の盲点、大変さなどを知ることができお茶作りへフィードバックすることができるのではないかとも考えています。
青年部や若手世代で山東茶業組合の凄さや少しでも多くの人達に山東のお茶を飲んで貰いたいはもちろんですが、
より機械化を進め、更なる品質向上をし、唯一無二のお茶を生産製造していきたいです。

 

今回受賞された全国茶品評会とはどんな大会なんでしょうか?

全国で、お茶作りのスペシャリストが集まる大会です。
日本全国各地から集められたお茶で、日本一のお茶を選びます。
今年で第76回目となる歴史を感じさせる品評会です

 

山東さんはさまざまな受賞歴がありますが、今回の全品はどういった位置付けなんでしょうか?

規模が違います。
3大品評会(全国茶品評会・関東ブロック茶の共進会・静岡県茶品評会)では、どれも最高金賞である『農林水産大臣賞』を獲ることはできるのですが、やはり最大規模&最高峰であるの全国茶品評会には今年1番出来の良いものを出品するようにしてます。
歴代の組合長が最高位を獲得してきた中、昨年組合長が代わり新組合長のもと最高位を獲得出来たことは良かったと思います。

 

山東の好きなところはどこですか?

先程も言ったように、仲が良く皆が良きライバルなどころか好きな所です。他のお茶工場では無い若さ、元気、仲の良さや皆良い茶園を作るために手を抜かないところです。
組合員皆色んな個性の持ち主。皆力合わせれば百人力です!何でもやれちゃう対応力がすごいかも…。

 

山東のお茶の特徴を教えてください。

山間部で作っているので山の香りがし、製法は深蒸し茶で、水色は濃いのですが甘味が強いお茶が特徴です。
茶葉は葉肉が厚くて、蒸気で長く蒸したときも、お茶の成分がしっかりでます。そのため他とは違う旨みとコク、香りのあるお茶になります。
組合員の人柄が出ると言うか、触っても飲んでも温かみのあるお茶かなと思います。

 

お茶作りの年間を通した作業を教えてください。

・1月から4月に掛けて、1番茶に向けて4回肥料を行います。

・4月中旬〜品評会製造。

・4月下旬〜5月上旬までが1番茶摘菜・製造。

・1番茶終了後〜2番茶にむけた管理作業(防除・肥料散布・ナラシ作業・台切り作業など)。

・6月中旬〜6月下旬までが2番茶摘菜・製造。

・7月下旬〜8月上旬が、台切りをした畑の3番茶摘菜。
その間、他の茶園は防除・肥料散布作業。

・9月下旬〜10月上旬までが、4番茶・秋冬番茶摘菜・製造。

・11月上旬〜世界茶草場農法の草刈り・草引きを12月下旬まで。

施肥、防除、茶草場農法をメインの管理としてお茶シーズンに向けて日々頑張っています!
春の整枝に始まり、秋の整枝に終わるイメージです。

 

みなさん、ありがとうございました!
お茶作りの秘密、分かりましたか?

またまた来シーズンも美味しいお茶作りへ励んでもらえるよう、期待してます!!

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